大英博物館のマンガ展に行ってきた
大英博物館で今月23日から始まるマンガ展のプレス・ビューに行ってきましたのでご報告いたします。結論から申しますと、「めちゃめちゃ楽しめる、というか原画がこんなにあっていいの!?」です。素人なので大人の事情はよくわかりませんが、出版社の枠を越えて有名作品の原画約240点が一堂に会する、というのは日本国内ではなかなか難しい企画なのではないでしょうか。「日本人だしマンガなんて知ってるよ~」という人ほど感動するかもしれない? 本展について、先行してご紹介いたします。
大英博物館の玄関口には、本展の宣伝でメディアに露出しまくっているゴールデン・カムイのヒロイン、アシㇼパさんの大きな看板があり、マンガ展を大々的に宣伝していました。同じ看板が入り口をはさんで2つあったのでちょっと阿吽像っぽかった。
本展は正面玄関から入って左手の一番奥、大きな会場で開催されています。見てください、のっけからマンガ全開の魅せ方です。
今回の展覧会はマンガを始めて読む人へ向けた「マンガとはなんぞや」のイントロダクションに始まり、世界に与えるマンガの影響について深く掘り下げています(詳しい内容は弊社の記事をご覧ください)。先日のインタビューで、どうやってマンガを読むか日本人以外の方々にちゃんと教えたいとおっしゃっていたマンガ好きのキュレーターのニコルさんでしたが、マンガの読み方をマンガで教えるという応用技で紹介してました。なんというか、マンガの心をわかっていらっしゃるという感じ。
外国の方にとっては右開きで読むことから驚きだそうで、そういう基礎的なことをさまざまなイラストを使って丁寧に説明されてました。また、マンガはマンガ家がえいっと描いてポンッと生まれるのではなく、マンガ家を支える編集者や出版社など裏方の仕事あってやっと世に出てるんだぞ、ということを紹介していた点がおもしろかったです。我々の知らない業界的なことも学べます。
ここまで見たら、じゃあマンガって実際どんなのよ? ってなりますよね。あるんです、この後マンガそのものが自由に手に取ってみられるよう、単行本やマンガ雑誌が入った大きな書棚がでーんと登場します。しかも日本語版も英語版もあって心遣い&手厚いフォローありがたい。
すでにどんだけ畳み掛けてくるんだよ状態ですが、これだけで終わらないのがこの展覧会。なんと今年3月に閉店した神保町のコミック高岡の店内が映像で再現されているブースがあり、今はなき聖地がここでよみがえっているんです。日本のファンの皆さん…聞こえますか…本展は8月末までヴァーチャル参拝が可能ですよ…。しかしよく見るとオイオイこれ前面に出していいのかよ、というカバーもあったりして、まあここはそういう場所だったな、と我に返るのでした。
続くメインの展示は前述の通り原画の数が半端じゃなかったです。ワンピース、ナルト、コナンなどなど豪華なラインナップでした。原画を見る喜びや感動が外国の方に響くかは未知数ですが、イラストを拡大したものが天井からもぶらさがっているので、小さな原画も、拡大コピー(?)も、インパクトがあり見ごたえがありました。それから原画だけではなくアニメの映像も一緒に流れている作品もありまして、懐かしくてたまらなかったです。なんならちょっと涙出た。
ネタばれになってしまうので、このあたりで筆をおきたいと思いますが、本展の最終エリアでは、本展のために描き下ろした、とあるビッグネームのマンガ家さんの超プレミアイラストが飾ってあります。誰だか気になる方は会場に足をお運びいただき、ぜひ自分の目で確かめてみて下さいね! (葛)
特集: 大英博物館「マンガ展」The Citi exhibition Manga
http://www.news-digest.co.uk/news/features/18866-the-british-museum-manga-exhibition.html
特集: 大英博物館「マンガ展」キュレーター、ニコル・クーリッジ・ルマニエールさんに聞く
http://www.news-digest.co.uk/news/features/18867-the-british-museum-manga-exhibition-curator-nicole-coolidge-rousmaniere.html