X JAPAN、ロンドン・ウェンブリー公演に行ってきた

こんにちは、英国ニュースダイジェストの(紅)です。
去る3月4日(土)に、X JAPANのイギリス公演がロンドンのウェンブリー・アリーナで開催されました。昨年3月の予定が、ギタリスト・PATAの急病により1年延期され、ファンが待ちに待った今回の公演。コンサート前には、今世界で話題沸騰中のX JAPAN初となるドキュメンタリー映画「We Are X」も上映されました。
これが私にとっては初参戦となるX JAPANライブを、遅ればせながらリポートします!

当日、17時半ごろのウェンブリー駅。
到着が遅かったせいか、アリーナまでの道もそれほど混んでいなく、すんなり現地に到着。グッズ購入のため外のマーチャンダイズに並んでいたのですが、長蛇の列でなかなか進まない……。
「We Are X」ドキュメンタリー映画上映開始の時間が刻々と近づくなか、もう少しで順番!というところで係の人が「会場内でも買えるので、観たい方は入場を急いでください(英語)」とアナウンス。早く言ってよ〜!(泣) 列にいる日本から来た方々は困り顔で辺りを見回しています。すると、前に並んでいた日本人男性がその方々のために大声で英語を訳してあげており、親切心に心なごまされたのでストレス・フリーに。記念にTシャツも買って、なんとかドキュメンタリー・フィルム上映に間に合いました。

駅から徒歩10分ほどでウェンブリー・アリーナへ

2015年7月にYOSHIKIとToshlが「HYPER JAPAN Festival」に来ていたとき(レポはこちら)にチケットを購入したので、アリーナの前から2番めのB3ブロック(しかもセンター)というなかなか良いポジション。全体が見えるし舞台から近いしで更に期待が膨らみます。

「We Are X」は、YOSHIKIの辛い過去、メンバーの出会い、そしてX JAPAN結成のち、Toshlの洗脳からX JAPAN解散、HIDEとTAIJIの死という過酷な運命にさらされた、唯一無二のロック・バンドのドキュメンタリー・フィルム。私は以前一度見ていたのですが、再度目頭が熱くなりました。気づけば隣の男性も泣いているし、会場のあちらこちらからすすり泣きが聞こえる。ライブ前から、皆さん心が揺さぶられています。

そして「Introducing… X JAPAN…」のナレーションが流れ、スクリーンがあがるやいなや、ついにライブがスタート!!
導入曲は「Rusty Nail」。彼らのライブには欠かせない人気曲です。
イントロと共に全員の紹介を終えた後は、観客総立ちで腕を振りまくり、盛り上がりまくり!  X JAPANのライブ初参加の私は、そのパワー溢れる歌声とダイナミックな演奏に終始鳥肌が立っていました。

「Rusty Nail」のワンシーン ※再生すると音が出ます

……とここで気づいたのが、前列の男性、めちゃくちゃ背が高いではないですかっ。ポジション的に全体が見渡せる♫と思っていましたが背が低い私は彼の頭によってステージが真っ二つに分断されてしまい、結局左右前方にある巨大スクリーンでメンバーのお顔を拝見するはめに(泣)。撮影時は腕をめいっぱい伸ばして(後方の方すみません)なんとか乗り切ります。

気を取り直して、2曲め「HERO」、3曲め「JADE」へ。
これらは全英文歌詞で、再結成後に作られ、まだ正式にCD化されていないもののライブではおなじみの楽曲です。3年ほど前によく聴いていたので、その頃の記憶が呼び起こされます。

続いてMCへ。
Toshl「Wow, London… Do you wanna hear YOSHIKI’s voice ?」

YOSHIKI「Where is PATA ?」Toshl「PATA !?」

(↑初っ端からかよ! といった様子のToshl)
舞台裏へと消えたPATAを探すYOSHIKI。呼び戻されたPATA、元気に「I’m back in London!!」と答えました。

先にも述べましたが、PATAは昨年2月、予定されていた2016年公演直前に緊急入院してしまい、ライブは余儀なく延期に。無事復活し、元気にこの日を迎えられたことを心から嬉しく思います。

そしてYOSHIKIはアルバム製作が遅れていることを謝り、「ここにいる皆の歌声をレコーディングして曲に組み込めば、ようやく完成します」と言い、観客たち全員で新曲「Kiss the Sky」のシンガロングパートを合唱しました。「信じられないだろうけど(笑)、99%はもうできているんだよ。」という彼の言葉通りであれば、アルバム・リリースも間近!?

「Beneath The Skin」がYOSHIKIのピアノ・ソロから始まり、Toshlが歌い始めると炎がボッとあがって、SUGIZOのギター&HEATHのベース音と合った演出がなんともかっこいい!

炎のあがるステージ

PATAのソロお披露目。なんとX時代の「Stab Me In The Back」もちらっと演奏してくれました!  今回のライブのハイライトと言っても過言ではないでしょう。詳しくないので疑問なのですが、ソロ・コーナーも演目が決まっているのでしょうか?  石塚先生なら怒られたとしてもアドリブで披露してニヤッとしてそうですが……。そしてHEATHもソロを披露した後、PATAとのセッションで盛り上げます。Toshlも加わって「DRAIN」へと繋ぎました。

一旦皆が退場し、出てきたのはギター&バイオリン担当のSUGIZO。
イギリスの舞台にふさわしくユニオン・ジャックが施された衣装を身にまとい、美しいバイオリンを奏でます。デヴィッド・ボウイの「Life on Mars」では会場を大いに沸かせました。

SUGIさまと呼びたくなるバイオリン演奏姿

YOTHIKIのピアノ・ソロから入った映画のエンディング曲「La Venus」をメンバー全員で演奏。
その後のすみれトークにて、YOSHIKIが「皆We Are X サウンド・トラック買ってくれた? Toshlは?」と聞くと、Toshlはウェンブリー限定仕様を色違いで3枚買ったと得意気に発表。

自腹??

もらえなかったのでしょうか……?

YOSHIKI「3枚全部買ったんだ?(笑)」と驚き

それから2人は「I love London!」とイギリスで演奏できる喜びを表したあと、「Born To Be Free」の伴奏を始める前にYOSHIKIがToshlに質問。
YOSHIKI「Do you wanna say something?」
Toshl「Say something? Say anything?」
YOSHIKI「No, no. lol」
の流れで、X名義の最後のシングル「Say Anything」のセッションへ。
YOSHIKI「It’s so funny. 何か言いたいことある?って聞いただけなのに。OMG. lol」
と、予定外のハプニングにご満悦の様子。

Toshl「One more message… Life is beautiful!!」と叫び、「Born To Be Free」へ。レーザービームが場内を激しく照らします。
そしていよいよお待ちかねの「紅」。HIDEの映像が流れ、切ないギターの序章から始まりました。やっと、Toshlの叫び「くれないだぁ〜!!!」が生で聞けて感激! 空砲と銀テープも私の元まで届いた!!
会場が一体となって合唱し、ボルテージは最高潮に達しました。

「紅」のワンシーン ※再生すると音が出ます

ここでメンバーたちは舞台裏へ去りますが、もちろん終わりじゃありません。
音が無くなった場内では、ファンたちの交流(X JAPANへのアンコール)が始まりました。誰かが「We Are…!」と呼びかければ、続けて周りが「X !!!」と応答。地鳴りのような足踏みが始まったり、ウェイブができたりと、今か今かと皆メンバーの再登場を待っています。明るくなった、ほぼ満員の会場を見渡してみると、日本人以外がかなり多いことに気づきました。外国の方7割といったところでしょうか。さすがは世界のX。

〜アンコール 1〜

しばらくして、白のジャケットに包まれたYOSHIKI登場。
ベートーベンの「月光」をピアノ演奏。YOSHIKIがクリスタル・ピアノで弾くと、本当に哀愁が漂います。
ドラムへ移動したYOSHIKI、映像には雲が立ち込めて、強い光が差し込んだかと思うと、彼の後ろには翼が生えていました。なんとも美しい光景……。ドラム・ソロでは高速連打を見せつけ、力を振り絞ったYOSHIKIはその場に倒れこみ、観客は歓声をあげました。

黒い翼が生えた。神々しい

Toshlが現れ、「Without You」をHIDEに語りかけるように優しく歌いあげます。YOSHIKIは真紅のジャケットを羽織り、ピアノ伴奏。そのほかのメンバーも勢揃いして「I.V.」へ。X再結成第一弾として出されたこの曲は、復活を待ち望んだ人、複雑な気持ちで聴いた人、世代新たにこのときからXを好きになった人など……ファンの想いが交錯する、特別な1曲です。観客と共に「In the rain…」「Find the way…」の掛け合いが始まり、妖艶なベース&ギターのサウンドが会場を魅了しました。

Toshl「It’s gonna be the last song. We’re gonna ROCK you!」

「We’re gonna “X” you…!! 」

アンコール 1、締めくくりは彼らの象徴曲「X」! 皆でそろってのXジャンプでウェンブリー・アリーナ周辺は揺れたに違いありません。HIDEの「飛べ飛べ飛べ〜!!」でさらに加速。紙吹雪が舞い上がる中、「We Are !!」「X!!」「You Are !!」「X!!」とメンバーとオーディエンスの掛け合いで幕を閉じました。
念願のXジャンプ、ウェンブリーにて叶ったり!
(若干腰を痛めました…昔からずっとジャンプをし続けている運命共同体の皆さまに感服です)

全員でXジャンプ!!

赤、白、青の紙吹雪が舞う

〜アンコール 2〜

YOSHIKI、イギリスへの想いを込めてQueenの「Bohemian Rhapsody」を演奏。全員で熱唱しました。
トークでは、YOSHIKIがロックに目覚めた少年時代を振り返り、ブリティッシュ・バンドの曲をいつも聴いていたんだよ、とボウイの曲も披露。6年前シェパーズ・ブッシュ・エンパイアで演奏したとき、僕達はこの地に帰ってくると約束しました、との話も。有言実行のYOSHIKIさん、UKファンとの絆が強いのも納得。笑いあり、ときには涙を浮かべながら解散やHIDEについて話し、ファンに対する感謝を述べました。
なかには、Toshlと出会って最初はToshlがギターで、YOSHIKIがボーカルだったという裏話も。「 “Swan sings only one time(白鳥の歌)” という言い伝えもあるように、僕が歌うときは危ないかも(笑)」とひやっとさせるジョークも交えて英語で軽快に語っていました。

そして、「HIDE、TAIJI、そしてファンに捧げます」と述べ、過去の映像と共に「ENDLESS RAIN」を披露。今もですが、90年代のX JAPANってなんて格好いいんでしょう。PVを総振り返りしたくなってしまった。
ラストは「ART OF LIFE」。YOSHIKIの狂気のピアノとオーケストラさながらの壮大な構成が皆を惹きつけてやまない名曲で締めくくりました。

「Tears」の音をバックに、YOSHIKIがバラやドラム・スティックを、メンバーがピックやウォーター・ボトルを客席に向かって投げ、3列ほど前にスティックが落ちてきて取り合いになるハプニングも。でもすぐに終結し、譲ってあげた方が記念に写真を撮っていました。最後はメンバーそろって会場をバックにファンたちと記念撮影。こうして大成功のウェンブリー・アリーナ#XDAYは幕を閉じ、忘れられない一日となりました。

メンバー集合!! 最高のショーをありがとう

駅への帰り道、Xコールがあちらこちらで起こっているのが印象的でした。
私は今も余韻に浸り、彼らの曲を聴いたり動画を見たりする日々を送っています。
またロンドン公演があればお会いしましょう!

We Are X !!

(紅)

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