東京スカパラダイスオーケストラのロンドン公演に行ってきた
2015年07月14日 by 編集部(籠)
英国時間でこんばんは。ロンドンから英国発のニュースを配信している情報誌「英国ニュースダイジェスト」編集部の(籠)です。東京スカパラダイスオーケストラのロンドン公演に行ってきたので、ご報告申し上げます。
スカパラがロンドン公演を行うのはものすごい久しぶり。ごめんなさい、きちんと確認も取らぬまま適当に言って本当に申し訳ないのですが、どうやら7、8年ぶりみたいです。そのうんと昔に行われたロンドン公演に行ったことがあるという在英歴が長い私の同僚によると、そのときはもう「押しくらまんじゅう状態」だったそう。今回も楽しみ。
場所はロンドン中心部にあるジャズ・カフェでした。ロックを始めとするイギリス音楽の言わば聖地みたいになっているカムデン・タウンの駅前に立つ、420人収容の会場。日本人アーティストでは、過去にさかいゆうさんがここで公演を行ったことがあります。
客層は英国人を始めとする現地人が8割いや9割を占めていたかもしれない。日本人は本当に少数だったな。男女の比率は同じくらいで、働く若者みたいな人が多かった気がする。さすがカムデンに集まる人、と思わせるようなおしゃれな人がいっぱいました。
午後7時に開場、食べたり飲んだりしながら時間を過ごして夜9時スタートというスケジュール。8時半ぐらいの時点で会場はもうぎゅう詰めでした。9時ぴったりにスカパラのメンバーが登場。メンバーの皆さんのっけからものすごいハイテンションで、お客さんもこれまたものすごいハイテンションで応じるんだな。私は椅子がある2階席に陣取ったのですが、結局ほとんど皆が起立して踊り出しちゃったので椅子がある意味があんまりなかった。確か数曲を弾いた後で(圧倒されすぎて、前半部はメモを取るのを忘れてしまった)、バリトン・サックスの谷中敦さんが「Diamond in your heart」という曲の歌詞にある「Music is a game that anyone can win!」の一節を叫ぶと、「ウォー!」って本当に地鳴りかと思うぐらいの歓声が起きた。
で、ほぼ2時間の公演中、ずっと演奏ぶっ続けです。ボルテージも上がりっぱなし。スカパラの皆さんが手拍子叩けば観客も頭上で手のひらを合わし、こぶしを突き上げれば観客もこぶしを突き上げ、「ジャンプ!」と叫べば面白いぐらいにぴょんぴょん飛び跳ねる。もうスカパラの意のまま。イギリス人ってこんなに順応性のある国民だったっけと我が目を疑ってしまいました。
しかも会場内は気付いたら暑い。ロンドンはここ数日、「えっ? 夏はもう終わったの?」と言いたくなるくらい急激に涼しくなり出したのですが、この会場内だけ暑い。明らかに熱気で蒸してる。メンバーの皆さんも汗だくだけど、僕の額からもいつの間にやら汗が流れ出している。1階席ではモッシュ(まさに押しくらまんじゅう状態のこと)が起きていました。しかも最後列の隅々まで激しく踊りまくってて、そりゃ会場内の気温も上がるわ。
9人いるメンバーの方々が代わる代わるステージの中央に立ち、その度に回りのメンバーが「こいつの演奏すごいんだよ」みたいな羨望の眼差しで見つめる姿が素敵だったな。そして「じゃあ次は俺も得意技見せちゃおっかな」てな具合にまた別のメンバーが中央に出てきて心から楽しそうに演奏するんですよね。そんでもってギター、ベースに各管楽器そして各打楽器、鍵盤ハーモニカといった楽器があふれんばかりに様々なリズムとメロディーを奏でる。彼らの手にかかると、往年のディスコ音楽とか童謡さえも、いつの間にかめちゃめちゃエッジーなカッコいい音楽に変わっちゃうんだな。
あとは会場にいる観客の誰もが笑顔だったのが印象的でした。2階席の先端つまりステージの真横から1階席の後方を見てみると、観客全員が本当に破顔一笑で飛び跳ねていて、それを見ているだけで幸せな気持ちになった。ライブが終わった帰り道、僕自身がお腹がよじれるほど大笑いした後みたいな幸福感と疲労感を覚えていることに思い至りました。いやー、幸せ。楽しかったあ。
さて、実は大盛り上がりの公演終了後、スカパラの楽屋にお伺いし、谷中敦さんにほんの少しだけロンドン公演についてのお話を伺うことができました。近日中にまとめて本ウェブサイトにて改めて報告致しますね。どうかお楽しみに!(籠)