映画「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」 を観てきた

2015年02月10日 by 編集部(梅谷)

こんにちは。インターンの梅谷です。寒い日が続きますが、皆様体調など崩されていないでしょうか。こんなに寒い日が続くと、どうしても外出が億劫になってしまいますね。

そんな寒い日々の娯楽はやはり室内で楽しめるものが良いですね。そう、映画なんてどうでしょう。ということで、国際交流基金が日本文化の紹介事業の一つとして毎年行っている日本映画巡回上映会に行って参りました。

今年の上映会は1月30日(金)から3月26日(木)まで行われており、全13作品が英国各地で上映されます。今回はその中から、「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」などの作品を手掛けた、矢口史靖監督の新作「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」を鑑賞してきました。

「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」は、日本では2014年5月に公開された三浦しをんの同名小説を原作とした作品で、三重の山奥で行われる林業研修プログラムに参加する都会育ちの青年の姿を描いた物語。作品の随所に笑いが散りばめられていて、矢口監督らしい軽快なエンターテインメント作品です。

受験に失敗し、何事にもやる気がなくダメダメなのに、何故かいつも前向きな主人公、勇気(染谷将太)。そんな勇気を厳しくいつも怒鳴りつけているのに、実は勇気のことが可愛くて仕方ない林業一筋男、ヨキ(伊藤英明)。都会育ちの勇気には自分たちのことは分からないと冷たく突き放しているのに、やっぱり勇気が気になる村育ちの直紀(長澤まさみ)など、癖者だけど、どこか憎めなくて、個性溢れるキャラクターが次々に登場します。

いつもそうなのですが、矢口監督の作品は観終わった後に、自然と登場人物全員のことを愛おしく感じてしまうのです。「あいつ嫌なやつだったな~」みたいなモヤモヤした感情が生まれず、心の中の悪い毒素とかを全部奇麗さっぱり洗い流して、温かい気持ちで充満させてくれるので不思議です。

この日はほぼ満席で、英国人の方々が大勢来られていました。上映中は何度もドッと笑いが起こり、劇場内も終始和やかムード。今まで映画や演劇を観ているときに、「そこ面白いのか!?」というようなところで英国の人々が笑っているのを見て、「やはり笑いの感覚が違うのだろうか……」などと思っていましたが、今回の作品については、笑うタイミングが見事に全員ピッタリで、矢口監督作品の笑いは世界共通なのかなあと感じました。この日は監督の舞台挨拶もあり、監督自らお客さんからの質問に答えられていました。

あまり言うとネタバレになってしまいそうですが、お客さんからは作品内に登場するお祭りのシーンや、神様に関するシーンについてなど、日本人では気が付かないような日本独特の文化についての質問が多く寄せられ、そういう注目の仕方もあるのかと新しい発見でした。

残念ながらロンドン上映は終わってしまいましたが、エディンバラやバーミンガム、シェフィールドなどの英各地ではまだまだチャンスあり。これからもしばらく続く寒い季節、映画を観て心の内側から身体を温めてみてはいかがでしょうか?

*プログラムの詳細は以下のサイトをご参照ください。
www.jpf-film.org.uk

特集: 矢口史靖監督 インタビュー 「WOOD JOB!」イギリス上映(5 February 2015 vol.1428)

国際交流基金主催 巡回日本映画上映会

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