お化けの正体
2009年06月09日 By 編集部員(籠)
先日報告した、「ロンドン南東部ニュー・クロスの自宅に出没するお化け」についてです。
フラットメイトのジェームズとマリサを、極度の不眠症に陥れた我が家のお化け。その後、フラットメイト一同挙げての調査活動が実り、ついにその正体が明かされました。
まずパキスタン人の男の子(ごめんなさい、いまだ名前覚えていないんです)の経験談から検証します。
・夜中、部屋に1人でいると、風もないのにときどき湯沸し器がカタカタ動く
真相は意外と単純で、階段を歩くと、その振動で彼の部屋全体が揺れるんです(そんなにボロ家でもないんですが)。先日、面白半分で実験してみたら、ジェームズが階段を駆け下りた瞬間、彼の部屋に置かれた食器は見事にカタカタしていました。
パキスタン人の男の子が暮らす部屋は2階。そして我が家には3階にトイレとシャワー室が備え付けてあるので、多くの人が彼の部屋の前を行ったり来たりするんですね。昼夜がすっかり逆転しているマリサ、ゲイ・バー通いが大好きなジェームズ、仕事帰りにジムでジョギングを楽しむ僕と、夜行性の人間が多く住む我が家では、夜中に階段を使用する頻度が高い。夜になると彼の部屋が不気味に揺れる訳です。1人朝型のパキスタン人君が、戸惑うのも無理はありません。
次に、ジェームズとマリサの体験談。
・道路に面した窓の外に、宙に浮かぶ女性の姿を見かける
・黒髪の女性に、強い力で自分の体をベッドに押し付けられた
狂乱気味に陥っていたマリサの様子が心配になってきたところ、パキスタン人君のいとこがロンドンで医師として働いているのとのことなので、電話で彼女に相談しました。
電話の側でフラットメイト一同が耳をすませて会話を聞いていたのですが、そのお医者様は、マリサがどんな体験をしたかに加えて、なぜか我が家の構造についてしきりに尋ねていました。これらの詳細を聞き取りした後、その医師が出した答えとは。それは、「空調の問題」。
どうやら、うちの家にはまともな空調設備が付いていないようなのです。しかもマリサの部屋は庭に面しています。夜中に植物が発する二酸化炭素を大量に吸い込んで、酸素不足に陥ってしまったのこと。悪夢を見るわけです。だから、空気の入れ換えをこまめに行うことで問題は解決するはず、とお医者様は温かな助言をくれました。
確かに、我が家で空気の流れが悪いことは事実です。胃腸がゆるいジェームズが部屋でおならをすると、数時間ぐらいは異臭が残ります(汚い話でごめんなさい)。
実際、マリサとジェームズが窓を開けて就寝するようになると、悪夢はぴたりと止みました。フラットメイト一同で支払いを止めていた家賃を、先週末に完済したことを重ねてご報告申し上げます。(籠)