お掃除、ジャーナリスト魂、そして咳

2007年2月13日 By 編集部員(籠)

日本では、掃除が流行しているそうです。開運術の1つとして認知されているとさえ聞きました。ただのブームであればまあ聞き流しておけばいいのですが、「仕事の能力は、机のスペースの広さと比例する」なんて言う、説教じみたセリフまで聞かされるとドキリ。なぜかって、僕の机は誰よりも汚いから。

まず始めに反駁すると、「机の乱雑ぶりは、ジャーナリスト魂の熱さに比例する」というのが僕の持論です。まだロンドンで留学生としてジャーナリズムを学んでいた頃、「ガーディアン」紙編集部オフィスの見学に行ったり、あと仕事現場で撮影された著名ジャーナリストのインタビュー番組などをテレビでよく見たりしていたのですが、大体どのジャーナリストも机の上は資料を山積みにしているんです。雪崩が今にも起きそうな資料の山の間でくたびれたYシャツを着て、コーヒーをガブ飲みつつタバコを吸い、頭を掻きむしりフケを飛ばしながら原稿をシコシコ書く。ここにジャーナリズムの真髄があるのだ、と22歳の夏に僕は悟ってしまった。

だから隣に座る同僚にどれだけ舌打ちされようと、これまで机の整理整頓には特に気を使っていなかったのですが、最近になって一念発起して机の上を大掃除しました。なぜかと言うと、もう3カ月にわたって咳が止まらないからです。

風邪ではなく、肺を患っているわけではなく、これだけ咳が出るのは、もしかして机の上にかわいらしく積もった埃ちゃんのせいなのでは、と思っての決意。机がきれいになって清々しい気分になれたのはいいのですが、肝心の咳はいまだ止まらずです。それどころか、かえって悪化しました。人間やはり、慣れないことはやるもんじゃないと悟った27歳の冬です。

それにしても止まらない咳。僕の体に一体何が起こっているのでしょうか。(籠)

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