母が来る

2006年8月29日 By 編集部員(籠)

母がまたロンドンに遊びに来ます。彼女が渡英するのは、これで4度目。ロンドン同時多発テロの発生を受けて旅行計画を中止した昨年を除いて、年に1回は必ず来ていることになります。

母が来てしまったらその間付き合わなければいけないので、僕の有給休暇は毎年これで消えていきます。もはや恒例行事ですね。なので毎年この頃になると、多くの人から「まあお母様がいらっしゃるの」「親子で仲良いんですね」などと温かいお言葉をいただく一方、僕の気分は少しずつ重くなっていきます。

なぜかを説明しますね。まずほぼ自動的に荷物運搬や切符手配、その他諸々の作業を請け負う使用人状態になります。普段使用しているベッドを母に提供するので、僕の寝場所はカーペットの上になります。ここまでは我慢できます。一番大変なのは、長時間にわたって母の話相手を務めなければならないことです。ただでさえ外国旅行で気分を高揚させています。さらには1年分の積もった話があります(毎年同じ話をしているような気もします)。

機関銃のように話し続ける母親の話に相槌ぐらいは打たなくてはなりません。日本では英語をしっかりと勉強しているので、英会話もなかなかお上手みたいなのですが、ここぞとばかり周りの人々に英語で意味もなく話しかけるので恥ずかしい思いもします。ちょっと目を離すとすぐどこかに行ってしまうので、絶えず見張っていなければなりません。そんな母に対して我慢の限界に達した僕は、最後には怒りを爆発させることになります。

こんなことをもう毎年繰り返しているんです。彼女が帰国した後も、しばらく疲れは取れません。何のための休暇なのか、わからなくなってしまいます。さらに母はもう英国には少し飽きてしまったようで、今年はパリにも連れていかなければなりません。始めて母と2人で行く非英語圏。果たしてどうなることやら。(籠)

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