ロンドンで開催のCUTE展に行ってかわいいの定義が鬼広がりした
ロンドンにあるサマセットハウスで開催中のエキシビション「CUTE」を見に行ってきました。「CUTE」(かわいい)の概念がどのように力を持ち、現代社会に君臨するようになったか、を紹介するもので、世界各国のかわいいが集まったエキシビションでした。
えー、まず一言。日本発のカルチャー、多いよ〜!誇らしいよ〜!!!
エキシビションの前半は日本のかわいいが詰まったセクションが続きます。
今年はハローキティが誕生して50周年のアニバーサリーイヤーであることも手伝い、キティちゃんのブースがえらい充実してました。昔のマクドナルドのハッピーセットのぬいぐるみとか、うわーーー郷愁やば!となるようなものがたくさん鎮座。また、冒頭の写真の真ん中らへんに見えるのがKitty Discoブースとなっており、アッパーな音楽がかけられ、欧米風に(?)お祝いするコーナーもありました。かわいいからの急なクラブなんてさすがイギリスや…! 日本のかわいいカルチャーのあとは世界のかわいい展示品が紹介されていました。
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会場のSomerset Houseは、過去にもホラー系カルチャーをこれでもかと集めたエキシビションや、ひたすらきのこについて紹介するマニアックな展覧会など、常に興味深いテーマを取り上げるギャラリーというイメージが元々あったんですが、今回のCUTE展も多分に漏れず。
日本のグッズは前情報があるから「わーこれも紹介してる懐!」という感覚でしたが、逆に世界各国のかわいいものや映像などを見ていると「あ、これもかわいい、なのね」みたいな逆かわショック?がありました。
これは私の感覚ですが、英語の「cute」は犬とか赤ちゃんとか、純粋にかわいい、とか汚れのない感じを表現するのに使っていて、一方「ぶさかわいい」とかこのゾンビなんかかわいい、おじいちゃんツルツルしててかわいい、みたいな日本の「かわいい」は「ヤバい」と同じくらいカバー力がある言葉=汎用性ありすぎる言葉と認識しています。
(英単語でこう使えるワードはあまりないんじゃないかな〜。限りなく近いものでいえば「sick」(かっこいい、最高じゃん、That’s sick! みたいなスラングの使い方と、元々の意味の病気、体調悪い)などがありますが、これは上記の「汎用性がある」定義とは微妙に違いますもんねぇ)
今回のエキシビションは、日本のこの「かわいい」という言葉近いものを多数紹介している印象でした。例えば、「cry baby」というコーナーでは「cuteは感情的な反応に依存する感覚」だから、「泣いている赤ちゃんなど、哀れみの感情を抱かせたり、守ってあげなきゃ!という気持ちにさせることもcuteといえる」みたいなことが書かれていて、うろ覚えですが綾波レイのフィギュアがあったような…?
でも最後に「この感情が心に張り付くような粘着感を覚えると、かわいいから一転して攻撃性を含む別の強い感情に転じ、もはやかわいいとはいえない」みたいなビッミョーーーなラインを言語化した説明もありまして、有能なキュレーター&スタッフがいてすげぇ……ってなりました。ダレ? ニッポンジン?
あ、すごいでいえば別コーナーで、ヒトラーが鹿を愛でてる写真があり、かわいい姿を見せることで人々の彼への印象を操作するプロパガンダ写真なんかもあったりしまして。なかなか攻めたかわいい展示品が非常に多くあり、このエキシビションで私の中のかわいい定義も大きく広がった気がします。
…さて、グダグダ言ってないで写真はよ!と思う方もいらっしゃると思うんですが、、、ない。Somerset House、暖房なのか建物の構造なのかわかりませんが、いつ行っても館内が猛烈に暑いんですよね。よって後半は「水…水…」状態で写真どころではなくなってしまいました。気になる人、近郊にお住まいの方はぜひ行ってほしいエキシビションです。涼しい格好で行くことを激しくお勧めします。入場料が18.5ポンドと結構高かったのに後半グダグダだったので、皆さんの手でこのやりきれなさを供養していただけたら…と勝手に託します。
こちらのエキシビション、今月の14日(日)までなので、公式サイトからもう駆け込み予約しないと間に合わないのでご注意ください!
また、エキシビションに合わせ特設のサンリオカフェも併設です。こちらも入るだけで1-2時間は余裕で並ぶので、どっちも楽しみたい方は早めに行ってみてください。楽しかったですよ〜。(葛)