ガリ・モデルの行方
2006年9月19日 By 編集部員(麟)
ロンドン・ファッション・ウィークの時期がやってきました。 会場であるサウス・ケンジントン近くには、いかにもファッション関係者らしい人たちで溢れています。
しかし、今期のファッション・ウィークで話題になっているのは、2007年春夏ファッションの動向というよりもモデルのサイズではなかろうか。なんでも、「サイズ0(BMI値18以下)のモデルは使うべからず」 というお達しが出されるようで……。この流れは、マドリードで行われたファッション・ウィークから来たもの。マドリードでは実際にBMI値18以下のモデルは採用されなかったそうです。
BMI値18というと、身長163センチで、47.5キロぐらい。残念ながら、私はBMI値18超な女ですが、モデルの世界じゃ一般的な体型のようにも感じます。
ガリ・モデル追放の圧力をかけている人の中に、文化相のテッサ・ジョエルさんがいますが、そもそも人の体型の良し悪しを政府が決める問題でもないと思うのですがね。BMI値18以下でも健康体の人はいるはずだから。
確かに、細いことが良いことのように育ち盛りの少女を洗脳してしまうのは、いけないと思います。しかし、食べなくても太ってしまう人がいるように、食べても太れない人もいる訳ですよ。そういうことを考えると、ガリ・モデル自身よりも、ガリ・モデルを神格化するメディアの方を規制するべきかと。メディアが「病的な痩せは気持ちわる~い」と何度も書けば、ガリのブランディングは間違いなく落ちてゆくでしょう。細いのが良いと老若男女みんなが思い込んでるのは、メディアの洗脳の結果でもあるのだから、やはりここは、メディアにふんばってもらいましょう。
あと気になるのは、モデルの年齢! 巷には、14歳とか15歳とかのモデルがいますが、そんな学校でお勉強しているべき年齢のモデルは禁止すべきです。18歳以下のモデルを禁じれば、健康体でガリという人口は自然に少なくなるのでは? そもそも成人女性が14、5のモデルに負けじとダイエットすることがおかしいのです。
約1年ほど前、メディアは盛んに「これからの体型はHourglass(砂時計)」 と訴え、メリハリのあるボディー・ラインが流行ると書いてました。結局その作戦は実らなかったようですが、「体型まで流行にされちゃたまらんよ」と思ったものです。
片方では、ジェイミー・オリバーが肥満児をなくすための給食改革に励み、片方ではやせすぎもダメっていわれちゃ、子供たちはどうしていいのか分からなくなっちゃうんじゃないでしょうか。「健康であること」この一番大切なことを、メディアが上手く伝えるようになってくれることを祈ります。