ジョコビッチがボール・ガールを怒鳴りつけたらしいけど
2015年07月08日 by 編集部(籠)
テニスのウィンブルドン選手権における男子シングルスの4回戦で、ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)がタオルを求めてボール・ガールを怒鳴りつけたことがニュースとなっています。動画を見ると、怒鳴られたボール・ガールは泣くのを必死でこらえていたようにも見える。ジョコビッチ選手はこの女の子に対して謝罪する意向を示したことでこの件は収まりそうなのですが、ちょっと気になった点がありまして。
実は今大会の初日、私が徹夜した末に当日券を得て念願のセンター・コートで観戦した際にも、似たような場面があったんです。センター・コートでの第1試合となったジョコビッチ対フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)の試合。
テレビ観戦しているときはリプレー映像が流れるタイミングとなるのであまり目に入りませんが、生でしかもコート脇で観戦していると、どの選手もかなり頻繁にタオルで汗を拭いているということに気付きます。しかも今大会中のロンドンはものすごく暑い日が多い。このような天候だと、プレーが一区切りする度に汗をふく、しかも顔からラケットのグリップまでふきまくる選手が決して珍しくないわけです。
で、選手は汗をふくのに当然タオルを使うわけですが、このタオルはコートの後方にある椅子の上にかけてあって、必要に応じてボール・ボーイ & ガールが選手に渡したりまた椅子のところに戻したりするんですね。
逆に選手の方は、タオルが欲しいときにはボール・ボーイ & ガールに向かってその意思表示をしなければならない。大体の選手は、人差し指でタオルの方を指したり、手を差し伸べながら頷いたりすることで意思表示をしているみたいです。
でも選手によっては次のサーブを打つ前に考え事しながら指をクルクル動かしてるみたいな仕草をする人もいるし、あとは「よし、次も一本決めるぞ」ってなことをブツブツと呟きながらなんだか頷いているようにも見える選手もいるもんだから、ちょっと分かりにくいんんですよね。しかも、ボール・ボーイ & ガールは何もタオルを選手に渡すことだけを専任の仕事としてやっているわけではなく、同時にボール拾いやその受け渡しなんかもやっているわけで、選手からの「タオルが欲しい」というメッセージを見逃してしまうことってわりとよくあるんです。
私が観戦していた第1回戦でも、ジョコビッチ選手がジェスチャーでタオルを求めているにも関わらず、ボール・ボーイ & ガールが気付いていないという場面が何度か見られました。観客席からジョコビッチ選手の一挙手一投足に釘づけ状態だった僕は当然気付いたので、そのうちジョコビッチが切れるんじゃないかとハラハラしたもんです。ジェスチャーでは気付いてもらえないジョコビッチ選手が「タオル・プリーズ!」って大声で言った後でやっとボール・ボーイ & ガールに伝わったということもあったな。
ということで、テレビには映らないことって結構あるんですよねー。試合をしながらアドレナリンがドピュドピュ出まくりのジョコビッチ選手の興奮といら立ちにも思いを馳せつつ、ボール・ボーイ & ガールの仕事って簡単ではないなと改めて実感した次第です。(籠)