悲しいときぃ
By 編集部員(籠)
皆さんは、「いつもここから」という日本のお笑いコンビを知っていますか。
この甘酸っぱい青春小説のタイトルのような名をもつコンビを有名にしたのが、「悲しいときぃ~」というネタ。僕がまだ学生だった頃には、つぶやきシローとか、ふかわりょうといった日本のお笑い芸人が得意としていた、いわゆる「あるあるネタ」ですね。「いつもここから」は、「悲しいときぃ~」というお決まりのフレーズの後に、「気が付いたら、傘を差しているのが自分だけだったときぃ~」という、少し寂しげなユーモアを含んだ台詞を絶叫していました。
なんでそんなことを急に言い出したかというと、そのコンビの片割れである山田一成氏の著書「やまだ眼」を最近になって読んで、彼の人間観察の鋭さと、悲哀を含んだユーモアのレベルの高さに改めて感嘆してしまったのです。いつだって影響されやすい僕は、誰に頼まれたわけでもないのに、同氏へのオマージュを捧げるという形で、英国版「悲しいときぃ~」を作ってみました。駄作ではありますが、ここに慎んで発表させていただきます。
悲しいときぃ~……久しぶりにロンドン郊外へと電車で小旅行に出掛けようとしたのに、工事のために代替バスに乗らなければいけなくなったときぃ~
悲しいときぃ~……英国人の仲間たちが早口でジョークを言って爆笑しているのに、自分だけ何て言ったのか聞き取れていなかったときぃ~
悲しいときぃ~……他のフラットメイトの部屋は何の問題もないのに、自分の部屋だけヒーターがつかないときぃ~
悲しいときぃ~……スリランカ出身の同僚が、帰省休暇から戻った日にお土産としてくれた現地のお菓子がまずかったときぃ~
悲しいときぃ~……仕事が終わらないから休日出勤しているのに、上司から「週末にご苦労様だね。近くのレストランでご馳走してあげる」といって連れ出された挙句、結局仕事がたいして進まなかったときぃ~
悲しいときぃ~……問い合わせをしようとある英系会社へ電話をかけたところ、たらい回しにされた挙句、最初に話した人に結局戻ってきてしまったときぃ~
悲しいときぃ~……語学学校の授業で「それではペアになって話し合ってみて」って言われたのに、ペアが見つからなかったときぃ~
悲しいときぃ~……語学学校の授業の一環として英語でしりとりをしたとき、前の生徒が「Fashion」って言ったのを受けて、早まって「Nipple」って言ってしまったときぃ~
悲しいときぃ~……、悲しいときぃ~……。(籠)