オープン・ハウス・ロンドンのおすすめ建築

日も徐々に短くなって、朝晩は冷え込み、突然の雨に降られたりで、気持ちも沈みがちです……。

が、それを吹き飛ばしてくれるかのように、9月16日(土)と17日(日)には毎年恒例ロンドンの建築イベント、オープン・ハウスが開催されます。歴史的な建造物や優れたデザイン建築の内部に入れる、しかも無料!という夢のような企画で、ロンドンの数ある恒例イベントのなかでもイチオシです。

*毎年開催日やオープンする施設は変わりますので、最新情報は、公式ウェブサイトでご確認ください。

ふだん何気なく通りすぎている建物も、足を止め中に入り細部をじっくり見たり、そこで働く人たちの話を聞いたりすると、思いがけない歴史的背景や物語があり、ロンドンという街にもっともっと愛着が持てるようになります。

超人気の建築は長い列ができて、待ち時間も大変なことになりますが、ここでは比較的簡単に入れるオープン・ハウスの定番を紹介します。子ども用のアクティビティがある施設もありますので、ご家族でもお楽しみになれると思います。

(セキュリティ・チェックなどで並ぶ場合や、その年によって状況が変わることもありますので、ご了承ください)

 

● Foreign & Commonwealth Office
外務及び英連邦省
King Charles Street SW1A 2AH
最寄り駅:Westminster

日本を含む各国のエンブレムが埋め込まれた天井があったり、歴史的な調印が行われた部屋があったり、豪華な装飾にも圧倒されます。官邸で働く猫のパーマストンさんにも会えるかも?

外務省外務、連邦外務・英連邦省(Foreign and Commonwealth Office)

 

● Royal Courts of Justice
王立裁判所

Strand WC2A 2LL
最寄り駅:Holborn / Temple / Chancery Lane

実際に使われている法廷での模擬裁判を傍聴したり、職員から裁判官が着ている、あの時代がかった法服の説明などもあり、興味は尽きません。

Royal Courts of Justice 王立裁判所 王立裁判所

 

● The UK Supreme Court (formerly the Middlesex Guildhall)
最高裁判所
Parliament Square, SW1P 3BD
最寄り駅:Westminster

お堅いイメージの裁判所ですが、ゴシックとアールヌーボーとポップが混ざり合ったような内装です。イングランドのバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク、北アイルランドのフラックスがモチーフのカーペットは、あのビートルズのサージェント・ペパーズのジャケット・デザインで知られるサー・ピーター・ブレイクによるものだそうです。

The Supreme CourtThe Supreme Courtピーター・ブレイクのカーペット

 

● Burlington House: Royal Astronomical Society
王立天文学会
Piccadilly, W1J 0BQ
最寄り駅:Piccadilly Circus

ピカデリーにあるロイヤル・アカデミーの中庭に面したバーリントン・ハウスの一角にあります。このビルには、ロンドン地質学会、王立化学会、ロンドン考古協会などがが軒を連ねているので、入りやすいものから試すのも良いかも知れません。特にこの天文学会は人気で、30分ごとにツアーが行われるので、1時間くらい並んで待ちました。もちろんツアーの後に自由に見学できる時間もあります。あのニュートンの庭にあったリンゴの木の一部や、月の地図、星座の本なども所狭しと並べられていました。

Royal Astronomical SocietyRoyal Astronomical Societyニュートンのリンゴの木

 

● Apothecaries’ Hall
アポテーカリーズ・ホール(薬剤師名誉協会の本部)
Black Friars Lane, EC4V 6EJ
最寄り駅:Black Friars

ワクチン開発者エドワード・ジェンナーはここの会員で、作家のアガサ・クリスティーが薬剤師資格を取ったと言われる、薬剤師組合のホールです。17世紀の内装がきれいに保たれています。古い薬壺やガラスのジャーなども美しく陳列されています。

Apothecaries' HallApothecaries' Hallステンドグラス

 

● King’s College London, Strand Campus
キングス・カレッジ、ストランド・キャンパス
Strand, WC2R 2LS
最寄り駅:Temple

キングス・カレッジ・ロンドンのストランドにあるキャンパスの中にはすごいチャペルがあります。セント・パンクラス駅も手がけた、ヴィクトリア時代のゴシック・リバイバル建築家、ジョージ・ギルバート・スコットによるもので、細部にわたる綿密かつ大胆な装飾に圧倒されます。

Kings College London Chapel キングス・カレッジ・ロンドンのチャペル

 

どこに行こうかな?と迷っている方、これからプランを立てる方、少しでも参考になれば幸いです。

特集:オープン・ハウス・ロンドン 2017 – 姿を変えるロンドンの景観を見つめて
http://www.news-digest.co.uk/news/features/16804-open-house-london-2017.html
本誌の特集では、革新的なデザインでロンドンの景観を変えたフォスター+パートナーズ建築設計事務所の建築と、遠い昔を想起させるユニークな建造物の両方を取り上げていますので、ぜひご覧になってください。

知って楽しい建築ウンチク
http://www.news-digest.co.uk/news/archive/architecture.html
過去の連載ですが、藍谷鋼一郎氏がロンドンの建築を分かりやすく解説しています。

シティを歩けば世界が見える
http://www.news-digest.co.uk/news/columns/city.html
シティ公認ガイドの寅七さんのシティ案内。ロンドンの歴史はシティぬきには語れません。

 

秋のロンドンは、オープン・ハウスのほかにもイベントが目白押しですので、ぜひ英国ニュースダイジェストのイベント欄をチェックしてくださいね。ツイッターやインスタでもポストしますので、こちらもフォローよろしくお願いします!

ロンドンのイベント・リスト
http://www.news-digest.co.uk/news/listing.html

ロンドンの注目イベント
http://www.news-digest.co.uk/news/listing/events.html

ニュースダイジェストのSNS
Twitter: https://twitter.com/newsdigest
Facebook: https://www.facebook.com/eikoku.news.digest/
Instagram: https://www.instagram.com/pickup_london_uk/

 

 

前の記事:
次の記事: