上原ひろみのロンドン公演2015に行ってきた
2015年11月19日 by (籠)
皆様こんにちは。イギリスで発行している日本語情報誌「英国ニュースダイジェスト」編集部の(籠)です。今日は日本が世界に誇るジャズ・ミュージシャンで海外では「Hiromi」の名で知られている上原ひろみのロンドン公演に行ってきたので報告申し上げます。
会場は、テムズ川岸に佇むロイヤル・フェスティバル・ホール。2500人を収容する大型コンサート・ホールです。昨年にはYoshikiがこのホールでクラシックのコンサートを行っています。ちなみに本日の公演は、ロンドン・ジャズ・フェスティバルにおける目玉の一つという扱い。
チケットはねえ、今回は結構良い席が買えたんです。1階席の中央やや後方のど真ん中。上原ひろみが奏でるピアノに加えてベースとドラムのトリオを真正面から見据える感じ。3人がまるでバトンを受け渡すかのように順番に見せ場を披露していく様子がつぶさに分かってとても良かったです。
コンサートが始まる前に、本日の進行役みたいな人が出てきて、公演中は携帯電話の使用や写真・動画撮影を一切禁じますと説明。「ていうかせっかくチケットを買ってここにいるのだから、余計なことは忘れて音楽に夢中になりませんか」みたいなことを言ったら、会場は大拍手。その会場を見渡してみたら、もうほとんど英国人を始めとする現地の方々ばかりでした。日本人も確かに多くお見掛けしたけど、この大きな会場全体の比率としては1、2割といったところじゃないでしょうか。
昨年の公演に続いて、上原ひろみの演奏は本日も絶好調。あの華奢な身体から生えている2本の手から、信じられないくらい多様な音とリズムが生まれてくるんだなあ。いや、手だけじゃない。ヒール・キックするみたいに片足をガンガン振り回したり、急に立ち上がって体重を全部かけるみたいに激しく弾いたり、ピアノの弦を直接弾いたり。うれしいサプライズの1000本ノックみたい。
個人的にもっとも興奮したのは、「Seeker」という曲。なんかちょっとおとなしめの曲かと思ったらこんな展開に! みたいなびっくり仰天の曲でした。これが最後の演奏曲目というわけでもないのにスタンディング・オベーションしている観客がいた(笑)。で、いざ上原ひろみが「最後の曲です」と流暢かつ可愛らしい話し方の英語で言った際には、観客席からは「ノー」の声。ここまで僕たちの気持ちを高揚させておいて、簡単には帰らせないぞみたいな。
そんな観客の要望に応じてなのか、実はこの日の公演終了後には会場内でサイン会が開かれました。僕がサイン会場に向かったときには既にもう長蛇の列が。
CDを買う列とサインをもらう列が両方できていて、しかもそれぞれ列が団子状態になったりくねったりしていてちょっとした混乱ぶりを見せていました。しかも会場で販売していたCDはすぐに売り切れちゃったみたい。
世界のHiromiは今年もロンドンの観客を魅了。いやあ本当にぶっ飛んだ世界を堪能しました。以上、上原ひろみロンドン公演の報告と代えさせていただきます。(籠)