ロンドン博物館の「シャーロック・ホームズ」展に行ってきた
2014年10月20日 by 編集部(月)
10月16日、ロンドン博物館で17日から開催されているシャーロック・ホームズ展のメディア・プレビューに行ってきました。BBCの人気ドラマ「シャーロック」で、シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチが着用したコートやドレッシング・ガウンも展示されるとあって、世界中のシャーロック・ファンから注目を浴びている同エキシビションですが、以前特集でご紹介したように、ロンドンの街に着目したユニークな視点が生きた、ドラマ・ファンも原作ファンも「子供時代に小説を読んだことがあるわ」くらいの人たちも楽しめる、実に面白い構成になっていました。今回はちょっとだけ展示作品をご紹介(この日は写真撮影が許可されていたのですが、一般公開中は撮影禁止だそうです。ご注意ください)。
まず私たちを出迎えてくれるのは、古今東西のホームズ映像(テレビ、映画)とポスターの数々。稀代のホームズ役者、ウィリアム・ジレットの音声を聴きつつ前に進みます(この日は説明付きだったので音声なしだったのですが)。そして次に見えてくるのは、原作ファン垂涎ものの貴重な資料の数々。こちらはホームズ・シリーズの挿絵で知られるシドニー・パジェットが描いた作者アーサー・コナン・ドイルの肖像画。
「Southsea Notebooks」の名で知られる、コナン・ドイルの執筆ノートの一冊目には、シャーロック・ホームズ・シリーズの筋について最初に言及した文章が。またこのノートには、記念すべき第1作の題名がもともとは「A Tangled Skein」だったのが、線で消されて「A Study in Scarlet(緋色の研究)」になったメモも残されているそう。
そしてホームズが活躍した19世紀のロンドンの姿を知ることのできる絵画や写真、地図も盛りだくさん。原作でも「黄色い霧」と表現されていましたが、深い霧に覆われたロンドンの様子を捉えた絵画や写真を眺め、こんな街の中をホームズとワトソンは謎を追いかけ駆け巡っていたのだなとしみじみ。また、2人がロンドンの街をどのように移動したのかなどが一目で分かる物語別の地図が展示されているのもユニーク。ロンドン中を縦横無尽に飛び回っていた様子が地図上に浮かび上がってきます。
忘れずにチェックしておきたいのが、1930年にコナン・ドイルにインタビューした映像と音声。ロンドン博物館いわく、映像として残っている唯一のインタビューだとか。ユーチューブにもアップされていない(はずの)貴重な資料です!
そしてやっぱり見逃せないのが、BBCシャーロック関連の展示品。シャーロック・ホームズという人物を様々な角度から分析するこのコーナーでは、カンバーバッチ着用、ベルスタッフのコートが存在感を放っています。
キャメル色のドレッシング・ガウンは、BBCシャーロックの映像とともに観ることができます。
シャーロック・ホームズが産声を上げ、ヴィクトリア時代のロンドンに生き、そして21世紀の現在に息づく軌跡をたどることのできるこの「シャーロック・ホームズ」展、原作初心者からシャーロキアンまで、皆さんにお勧めします!(月)
エキシビション詳細
Sherlock Holmes:
The Man Who Never Lived And Will Never Die
2015年4月12日(日)まで
10:00-18:00
£12
Museum of London
150 London Wall, London EC2Y 5HN
Tel: 020 7001 9844
Barbican/St. Paul’s/Moorgate駅
www.museumoflondon.org.uk