テニスのウィンブルドン選手権を観戦してきた
by 編集部(籠)
皆様こんにちは。英国ニュースダイジェスト編集部の(籠)です。いよいよウィンブルドン選手権が開幕! 初日の観戦に行ってきたので報告申し上げます。
会社からはお休みいただいて(忙しい時期に誠に恐縮です)、ウィンブルドン名物の当日券待ちの行列に並んできたんです。既にご存知の方も多いと思いますが、世界中が注目するこの大会では、数千枚単位で当日券を販売するので、別に大会関係者とお友達じゃなくても、ネット・オークションで高値で競り落とさずとも、誰もが平等に定額でチケットを入手することができるんです。
その代わり、大人気の大会なので、ものすごーーーく長い当日券待ちの列に並ばなければならない。
僕はこの日、午前4時半に起床して、始発電車に飛び乗り、ウィンブルドン駅に着いたのが午前6時過ぎ。改札出た途端、「ウィンブルドンの会場に行くならタクシーが一番速いよー」みたいな客引きをしていて、この時点で既に非日常です。だって、ロンドンでタクシーの客引きってかなり珍しいですよね?
ただ客引きしているタクシーに乗るとボラれちゃいそうな不信感があり(真面目に働いているタクシーの運ちゃんごめんなさい)、駅から会場まで早歩きすることにしました。でも、これが遠い。駅から徒歩20分ということになっているんですが、その間にタクシー20台以上に追い抜かれた。しかも、どのタクシーもギュウ詰めで乗ってたから、もしかすると100人ぐらいに抜かれたのかもしれない。
そんなこんなでなんとか午前6時半ぐらいに当日券待ちエリアに到着すると、既にそこは人、人、人。月曜日の早朝から、ものすごい数の人が行列をなしていたのでした。
敷地内にたくさんいる案内係の一人に誘導されて列に加わると、まず整理券をもらいます。僕が受け取ったのはなんだか縁起の悪い4242番(「死ね死ね」みたい)。そして、これから9時半の開場までのんびりと時間をつぶすことに。
周囲を見渡してみると、皆さん慣れたもんで、多くの人が持参したシートを地面に敷いて、静かに本を読んだり、朝からビール飲んだり、恋人同士でキスしたり。完全に早朝ピクニック状態です。大会関係者はウィンブルドン選手権のことを「テニスが観られるガーデン・パーティー」って言ってたけど、当日券待ちの行列から既にガーデン・パーティーは始まっているんですね。
結局、会場内に入場できたのは11時20分。つまり5時間弱待っていたことになりますが、全然飽きなかったなあ。
それから、2時間24分に及ぶ試合で惜しくも敗れたクルム伊達選手(あまりの激闘ぶりに観客席では試合中から泣いている人がいました)や、快勝した奈良選手、ゴルフのマキロイ選手との婚約破棄以来、絶不調に陥っていると伝えられるデンマークのウォズニアッキ選手などの試合を観ました。しかも全部ものすごく間近で。各試合の合間にも、歓声が聞こえてくる会場をチラッと覗いたりといった感じでテニス観戦ができて、本当に贅沢。
しかも白熱した試合の背後で「A列車で行こう」みたいなジャズの生演奏が行われたりしていて、ウィンブルドンの雰囲気って本当に独特。当日券待ちをしていた早朝から夕立ちに打たれながら帰るまで、ずっと夢心地だったな。
ウィンブルドン選手権の様子は、英国ニュースダイジェストのフェイスブックでも紹介しています。それではごきげんよう。(籠)