葉加瀬太郎さんのチャリティー・コンサート -東日本大震災から3年-
by 編集部員(翔)
こんにちは。インターンの(翔)です。今回は先日行われた葉加瀬太郎さんのチャリティー・コンサートについて書きたいと思います。
2014年3月11日、東日本大震災からちょうど3年。ウォータールーにあるセント・ジョンズ教会で行われていた、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんによる震災復興のためのチャリティー・コンサートに行ってきました。
当日、開場10分前ぐらいに着いてしまって少し早く来すぎたかな、と思っていましたがそんなことはなく、教会の前には驚くほどの長蛇の列。会場の中へ入ってみると、とめどなく次から次へとお客さんが入ってきて、教会に準備されていた椅子だけでは足りず、後から入ってきたお客さんが予備の椅子を各自取っていかなければならないほどでした。教会の2階もお客さんで一杯。超満員になった会場を見渡してみると、日本人よりもむしろ日本人以外のお客さんの方が多いのではないかと思うぐらいで驚きました。
さて、コンサートはというと、常に圧倒され続けていました。僕はこういったクラシックのコンサートに来るのは初めてだったのですが、どうして今まで行ったことがなかったのかと自分に問いたくなるぐらいでした。一曲一曲の最初から最後まで、周りのお客さんも微動だにせずに、教会内に奏でられるメロディーに耳を傾け、独特の世界に包み込まれていく。演奏は、ヴァイオリニストの2人のみ、ピアノも含めての3人、そして葉加瀬さんとピアニストの2人、葉加瀬さんのソロという4パターン。どれも言葉で言い表せないほどに美しく、ときにダイナミックに、ときに鳥のささやきのように響く変幻自在のヴァイオリンの音色とピアノの伴奏に引き込まれてしまいました。最も印象に残ったのは、ピアニストが加わり3人で演奏した瞬間です。ピアノが加わることで演奏に厚みが加わり、ヴァイオリンだけのそれとはまた違った世界が作り出されていきます。ピアノが加わるだけで、これほど作り出される音楽が変わるのかということに感銘を受けました。コンサートの最後は、「ひまわり」という葉加瀬さんが震災直後から各地で演奏し続けているという曲で締めくくられました。音楽の解釈の仕方は人それぞれだと思いますが、僕は葉加瀬さんのその曲に凝縮した思い、伝えたいメッセージというのをひしひしと感じました。葉加瀬さんのレーベルのユーチューブ公式チャンネルでも、「ひまわり」を視聴することができるので、ぜひご覧になって頂きたいと思います。
コンサートの間、震災当日のことが昨日のことのように頭に浮かんできました。震災の夜に埼玉の実家のテレビで観た、家々を次々に飲み込んでいく津波の光景は一生忘れることはないでしょう。しかし、忙しい日々を過ごしていると、つい震災のことを忘れがちになります。このコンサートを通して、震災を風化させてはいけないと、改めてそう強く思いました。