芸術の秋にロンドンで映画観賞 その1
by 編集部員(籠)
皆さんこんにちは。英国ニュースダイジェスト編集部の(籠)です。なんだか急に寒くなり、日暮れも随分と早くなり、ロンドンは秋冬の厳しさと寂しさを痛感する季節を迎えましたね。
私事で大変恐縮ですが、僕は毎年10月半ばも過ぎると、映画を観る本数がグンと増えます。家でヒーター付けながらDVD観たり、年末の忙しさから逃れるために携帯電話切って映画館に閉じこもったりすることが自ずと多くなるからなんでしょう。同じように篭り好き、という方たちに向けて、僕が最近観た映画2本を紹介致します。
まずは「The Last Passenger」。「メトロ」紙、「ガーディアン」紙、「イブニング・スタンダード」紙などでも最近取り上げられていましたね。
この映画を観るために、ロンドンのピカデリーにある英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)へと行って参りました。
ストーリーは、日々利用している通勤電車に乗ったら、なぜか止まらなくなってついにはその電車が暴走し出した……というサスペンスです。その筋書き自体ももちろん興味を引くのですが、さらに面白いのは映画ができるまでの経緯。この映画は資金集めに随分と悩まされたようで、それでも映画作りをあきらめなかった監督さんは完成もしていない映画の予告編をつくり、インターネットでその予告編を公開したんだとか。これを観て気に入った映画関係者たちが協力の手を差し伸べ、ついに完成までこぎつけたんだそうです。
この映画に関する秘話をさらにもう一つ。プロデューサーの一人が、何と日本人なんです。ヨシザキ・アドさんという方で、柔らかな物腰が素敵な方。
ちなみに僕はこの映画の舞台となったナショナル・レールの路線を毎日利用しているので、映画を観た後の帰り道は列車が暴走し出したらどうしようかと不安に陥りました。
どこまでも邪な人間ですみません。The Last Passengerは、10月18日(金)よりShowcase Newhamなどで上映されます。(その2に続く)。