イギリス的出会い系広告批評2011 ~珍プレー編~

By 編集部員(籠)

皆様、こんにちは。イギリス的出会い系広告批評界のアカデミー賞に早くもノミネートされた(籠)です。

本講座も、いよいよ最終回を迎えることになりました。最後に、過去の講座では正直どう扱っていいのかちょっとよく分からなかった出会い系広告をまとめて紹介してみたいと思います。いわば珍プレー集です。今回も、本講座を通して参照してきた、「ガーディアン」紙の別冊「guide」に掲載の「soulmates」を教科書として使用します。

まず最初の例。

Are you fed up with being sensible, doing all the work while the kids have all the fun? Me too! Please call me before it’s too late!
(子供たちが人生を楽しんでいる間、自分ばっかり仕事して、分別をわきまえる毎日にうんざりしてないかい? 俺もだ。遅くなる前に、電話くれ!)。

のっけから「分別をわきまえる毎日にうんざりしてないかい?」って聞かれてもね。しかも、「遅くなる前に」って一体何をあせっているんでしょうか。子供の就寝前に電話して欲しいってことですかね。それとも家庭内暴力した挙句に刑期が迫っているとかだったりして。何せ分別ある生活を嫌っている人のすることですからね。

次行きます。

HELP!――M, 40s, despairs of ever finding a woman who hasn’t thrown her g-strings away at 40! East Mids
(ヘルプ! 40代の男です。Tバックをまだ処分していない40代女性を見つけるのはもうあきらめました。イースト・ミッドランズ在住)

「Tバックをまだ処分していない40代女性を見つけるのはもうあきらめました」って、これでは出会いを求める広告というより、むしろ事後報告です。「ヘルプ」と叫んでいるわりには、何をどう助けて欲しいのかが不明だし。「まだあきらめんなよ!」って叱咤激励して欲しかったのでしょうか。あと、在住地を伝える必要は本当にあったのでしょうかね。

最後に紹介するのは、男性が、男性向けに出した広告の文面。つまり、ゲイですな。リベラルな「ガーディアン」紙の別冊には、しっかりと同性愛者枠が設けられているんです。そこで見つけたのがこれ。

Slim clean-shaven M, 50s, dark hair. Seeks clean-shaven gent, 60+, for friendship
(スリムで、頭にダークな色の髪の毛を残した以外は体毛を剃りあげた50代の男が、同じようにムダ毛処理されている体を持つ60代以上の男性との友情を結ぶことを求めています)

ムダ毛に対する強迫観念めいたものを抱えている人のようです。「友情を結ぶ」のになぜ体毛を剃る必要があるのかよく分かりませんが。

ムダ毛

剃ーれ♪剃れ♪剃れ♪お祭りだー

本講座に出席いただきありがとうございました。また会う日までごきげんよう。(籠)

実践で使える! イギリス的出会い系広告の言葉

今週の用語「Friendship or more」「 Friendship+」
日本語訳: 「まずはお友達から始めましょう」。そう言って本当にお友達作りに励む人は英国にも日本にも滅多にいないことを心に留めておきましょう。

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