金の豚
2007年2月20日 集部員(麟)
約2週間前辺りから、「タイムズ」紙の紙面に漢字が踊っているのを良く見かけました。 チャイニーズ・ニュー・イヤーに向けた特別企画だったと思われるのですが、中国語のレッスンCDが付録となっている日もあったりと、毎日毎日何かしら中国がらみの記事を載せていました。
例えば、中国語を習ったばかりのジャーナリストがチャイナ・タウンのレストランへ行き、つたない中国語でオーダーする記事。つたない中国語を駆使して注文してみるものの、周りの反応が冷たい……。これは、ジャーナリストが習ったのはマンダリンだけど、レストランのスタッフはカントニーズを話す人たちだったんだよっていうオチで終わっていました。私はこの手の体験レポ的な記事が結構好きなので、仕事もせずに、いやいや仕事の合間にこういった記事を楽しんでいたのです。
中でも、漢字文化の端くれの日本人である私のツボにはまったのが、毎日隅っこに埋もれていた漢字クイズ。これは、左側に漢字、右側に英単語が並んでいて、それらの単語と漢字をマッチングさせるというクイズです。例えば、左に「人、口、川、田」、右には「river, person, field, mouth」という感じで文字が並んでます。日本語にはない漢字もあったりしますが、日本人ならある程度の想像はつきます。楽勝物のこのクイズを眺め、「おし! 今日も満点」と小さな自己満足に浸っていたのです(我ながら小さすぎ!)が、今日ふと我に帰って考えました。
「タイムズ」紙の読者って、基本的に英国人ですよね。 何パーセントの英国人が漢字を解するのか分かりませんが、このクイズって、彼らには難しすぎるのでは???? 記事では、漢字は数独のようにロジカルなので、平均的頭脳の持ち主であればマスターできるって書いてるんですが、漢字ってほぼ無限にあるのに……。子どもの時から漢字ドリルに毎週(毎日)の漢字テスト、間違えれば漢字10回書きという試練(?)を乗り越えてきた私でさえ、最近字を書かなくなったお陰でめっきり漢字力が衰えつつあるというのに、一朝一夕で漢字をマスターしようなんて甘い!(あっ、ちょっと私情が入ってきましたね……)。ただ単に、「漢字があると、中国っぽいよな」という編集者の意見で取り入れられただけの、お飾り的な記事であろうと思われるので、深く考えるのは止めましょう。
ところで、日本語にない漢字で、火の上に横線が引っ張ってある字がありました。この字の意はextinguishだそうで、なんだか納得。他には、にんべんに三でthree people、人が三つ(三角形のようにならんで)でgroupと、中々奥が深い楽しみがあります。でも火の上にうかんむりでdisasterってのは何ででしょう???
そんなことはさて置いて、中国の干支によると今年はイノシシはイノシシでも金のイノシシ、いや金の豚、略して(?)金豚、だそうです。60年に1回という素晴らしい年とのこと。金豚にあやかって、皆さんの1年が素晴らしいものになりますように。