大嵐の大晦日

2007年1月2日 By 編集部員(籠)

2006年12月19日付の編集日記でこれまでの「軌跡」を披露した、大晦日にはトラブル続きの(籠)です。2006年度の大晦日について報告します。 舞台となったのは、クリスマスから大晦日にかけての賑わいは英国で一番との評判のエディンバラ。しかも一人旅に哲学的とでも呼べるほどのこだわりを持っている僕には珍しく、今回は女性を伴っての二人旅となりました。普段の旅行では特に予定も決めずプラプラして過ごすのが好きなのですが、今回ばかりはチケットの手配なり交通機関の確認なり、それなりの準備をして出発しました。

そんな小さな努力を嘲笑うかのように、いざ現地に着いてみると僕らを待っていたのは記録的な大嵐。突風がまるで相撲の張り手のように僕らの上半身を激しく突き飛ばし、地面に対して平行に降る雨が両目に突き刺さるので、歩くだけでも一苦労。一時はまるで吹雪に見舞われた冬山で遭難したかのような感覚に陥りました。

何だかんだいっても僕はそんな極限的な体験を楽しんだりもするのですが、一緒に行った女の子はそういう価値観を持ち合わせていなかったみたいです。彼女の自慢の長い黒髪は浮浪者のように乱れ、普段はとっても温厚な笑顔が浮かんでいる顔からは化粧が流れ落ち、無言で、しかし激しく僕を睨みつけていました。ああいう顔を「般若の形相」って言うんだと思います。

この嵐のために、予定されていた大晦日のイベントは結局すべて中止。カウントダウンの瞬間は、宿泊したホテルのバーで過ごすことになりました。不満タラタラの宿泊客が、バー内に響く「Y.M.C.A」などのヒット・ナンバーでヤケクソ気味に空騒ぎしている光景が妙に切なく、そして侘しかったです。

2007年は、良い年にしたいと思います。(籠)

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