「大晦日の罪滅ぼし」が私の元に……

2007年1月2日 By 編集部員(月)

一昨年、大晦日に野良犬に噛まれ、狂犬病注射を打つはめになった某同僚。毎年散々な年越しを迎えていると言う彼の厄が、どうやら今回は私の元に降りかかってきたようです。3泊4日バルセロナへの一人旅。かくも過酷な、かくも哀しいものとなりました……。

12月26日。ロンドン。夕方頃から突如咳が出始める。と思ったら発熱、悪寒、そしてトイレとお友達状態に。どんなに服を着込んでも寒くて震えが止まらない。明日からバルセロナ。すでにチケット代もホテル代も払い戻しは不可。とにかく何がどうなろうとも行かねばならないのだ。寒さをしのぐため、重い枕を2つ、体の上に置いて寝る。……まるでキュリー夫人……。

27日。絶不調。熱は39度を超える。フラフラになりながらもとにかくガトウィック空港へ。すると空港には歩くこともままならないほどの人、ひと、ヒト。よく見れば1列のながーい、とてつもなくながーいキューを形成しているではないか。……セキュリティ・チェックだ。チェック・インが済んだと同時に並ぶが、一向に動かない。とことん動かない。もはや立っていられなくなった私は地べたにぺたんと座り込んで待つ。無事にチェックを終えたのは2時間後の13時10分。そして私の出発予定時間は13時05分。……え、過ぎてる! 間に合わない~!! 空港内を猛ダッシュし、ギリギリセーフ。しかし旅立ちを前に既に意識は朦朧。飛行機の中では雪だるまのようにコートや毛布をぐーるぐると体に巻きつけ、寒さに耐える(ちなみに他の乗客はシャツ1枚)。

そしてバルセロナ到着。外気に触れれば震えもいや増す。他の乗客はやっぱりスペインは暖かいとご満悦。そうか、本当は暖かいのね……。何とかホテルまでたどり着いた後は、性も根も尽き果てベッドに倒れこむ。……、う、寒い。寒すぎる。何故か暖房が効かないマイ・ルーム。レセプションに文句を言うが、効くまでに時間がかかるから少し待てと言う。みのむしのように毛布を体に巻きつけ、待つこと2時間。ちっとも暖かくなりゃしない。再度レセプションに乗り込み、客を凍死させる気かあ~!! と怒鳴る。その余りの剣幕に驚いたレセプショニストが速攻で部屋を変えてくれる。ふっ、やればできるんじゃないの。もう一歩も外に出る気がしないので、ルーム・サービスを取ることに。するとそこに置かれていたのは宅配ピザのチラシ。よく読むとここのホテルのルーム・サービスとは、外注の宅配ピザ、オンリーだと言う。……ぴざ。史上最悪の風邪に見舞われている人間が、ぴざ……。その日の夜、ベッドの脇には半分以上手付かずで残されたピザが転がっていたのだった。

12月27日。相変わらず絶不調。この日のメイン不調は悪寒と咳。トイレとのお友達状態は卒業できたが、味覚は麻痺しているようで、食欲がまったく沸かない。どんな時でも食欲だけはなくならない私。インフルエンザにかかった時も天ぷらを食べていたのが自慢だったのに(空しい自慢だ)……。結局昼過ぎまでホテルで休み、午後から活動開始。パエーリャにカラマリ、サングリア。今回もやっぱり作った食べたいものリストを消化することもできず、ひたすら水分補給をしながら這うようにヨタヨタとバルセロナの町を這いずり回る。何かが間違ってる、この旅行……。

というわけでひたすら苦労話ばかりのバルセロナ旅行記後半は次回に続く。(月)

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