ソーホーで携帯を盗まれそうになった

だいぶご無沙汰しております。（葛）です。
皆さまお変わりありませんでしょうか。

最近の英国は天皇皇后両陛下訪英、総選挙など大きなイベントが目白押しで、ようやく一息つけるなぁと思っているところです。

さて、総選挙の投票日当日の7月4日、仕事が終わって（乃）さんと投票所を見たりとソーホー周辺をぶらついていたときのこと。

ジャケットのポケットに入れていたiPhoneをすられそうになりました。普段はジーンズの前ポケットにしまっているのですが、本当にたまたまその時だけジャケットに入れてて、多分どこかで出し入れしているのを見られてつけられたんでしょうね……ハァァァロンドン怖いよぉ！

場所はピカデリー・サーカス駅のそばのGlasshouse Streetあたりだったと思います。（乃）さんと二人で並んで歩いてて、私が車道側を歩いていたんですよね。で、後ろから男性が近づいてきて、車道側のポケットに手をかけたところで気づき、追っ払いました。

こんな感じの死んだ魚のような虚ろな目、浅黒い肌、180センチくらいでフードを被った細身の男性で、20代前半くらいだったかも。身なりは上下細身のグレーのスウェットで、蛍光色の明るいランニング・シューズを履いていました。スリをする人と想像するようなちょっと小汚いファッションとは程遠く、これで儲けてるんだろうなーというような結構ちゃんとした見なり（ってなんだ）でした。

「あんた私の携帯取ろうとしたね!?」と瞬発的に大きな声が出ましたが、男性は驚きもせず終始ヘラヘラしている感じで、こいつはプロだなと思い、会話中になるべくその外見を記憶し、後に警察のオンラインフォームで事件を報告しました。

ちなみに烈火の如くいきなり英語で叫び出した私を見て、（乃）さんは何が起こったのか全然わからなかったそう。驚かせちゃってごめんなさいね…。

視界から消えるまで男性の姿を見ていたところ、似たようなファッションの別の男性と落ち合い、こっちに目配せしながら去っていきました。あとで調べたところ、プロ集団は数人のグループでスリを行っており、誰かが携帯を奪ったら、近くですぐに仲間に携帯を渡し行方をわからなくするというのが常套手段のようです。

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さて、フォームではいつどこで起こったか、何があったか、犯人の背格好は、など詳しく書く欄を埋めていくのですが、「この事件が人種やジェンダーなどによるものだったかと思うか」という項目が出てきました。平和ボケしているという意味での「日本人」だから狙われたのかもしれない、とあまり前後関係を書かずにレポートを完了させると、10分もたたずして警察の方から電話が。

言われたことをまとめると、ヘイトクライム（人種や宗教など特定の集団への偏見や差別に基づく犯罪）であると判断されるレポートだった場合、警察はその被害者を警察署に直接呼ぶor警察官が被害者の自宅を直接訪問し、事件の全容を聞くことがポリシーになっているようで、来週〇〇日の◯時は空いているか?、というアポの電話でした。

言葉が足りなくて申し訳なかったなと思いつつ、ヘイト系ではないと思うと伝え、その電話は終わりました。確かにロンドンはいろんな人種・宗教を信仰する人が住んでいるし、私は未遂で終わったけれどもっと怖い暴力、傷害事件が起きてるんだなと思うと、慣れ親しんだ場所もちょっと気をつけて歩かなきゃなと再認識させられました…。

そしてこの電話と同じ日か次の日に、「事件が起こった場所のCCTVをチェックするので、もう一度細かく事情聴取をしたい」とまた別の電話が。

CCTVも全ての場所に設置されているわけではないので、CCTVがない場合や映像があってもこれ以上操作は続けられないと判断した場合はこのケースは終了となる、とのこと。また、映像チェックのために私たちの当日の格好も聞かれました。

この後は電話がなかったので、きっと終わったんだろうなと思っています。

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ちなみにレポートを書く際にうーん、と迷った項目が

・犯人は何系の人種か
（肌の色は黒人ほど黒くはなかったけど、髪はブレイドだったし、これって何系！？アジア系、白人、黒人系以外の人種が難しすぎた。選ぶ項目にメディテレニアン、ヒスパニック系などがあったと記憶）

・目の色
（犯人はブラウン系でしたが、ブルー、オリーブなどいろんな項目がありました）

・どのストリートで事件が起きたか
（Googleマップ的なものにピンポイントでピンを落とす項目が出てきます。大体はわかったのですがピンポイントだと多分ここだよなーっていう雰囲気で落としたので、もし事件があったら周りの建物を覚えておくとこの項目で迷わなかったと思います）

・写真のアップロード
（スリに特化したフォームではないので、犯人の写真をプリーズと言っている項目ではないのですが、犯人が視界から消えるまでずっと見ていたので撮影すればよかったと後悔）

など。あと小さなことですが、犯人の身長を書くときにフィート換算して書いたのですが、2度目の電話がかかってきたときに映像チェックのためあなたの身長も教えて、と言われさすがにそれは知らん、となりその場で調べたりしました。

皆さんがスリを含む犯罪に巻き込まれないことを祈るばかりですが、万が一起こってしまった場合、緊急性のある事件は999に電話を、私のように緊急性がなければオンラインフォームまたは101に電話でレポートすると、未来の犯罪を少しでも減らせるかもしれません。（葛）