ハイドパークのボートとクリスト&ジャンヌ=クロードの巨大墳墓「ザ・ロンドン・マスタバ」
ハイドパークにあるサーペンタイン・ギャラリーで開催中のクリスト&ジャンヌ=クロードによる「Barrels and The Mastaba 1958-2018」、そしてサーペンタイン湖に浮かぶ巨大ピラミッドのようなインスタレーションを見に行ってきました。
クリスト&ジャンヌ=クロードといえば、パリのポン・ヌフ(橋)を丸ごと梱包したり、日本の茨城県でアンブレラ・プロジェクトを展開したりと、プロジェクトのスケールが大きいことで、世界的に有名なアーティストです。
「マスタバ(Mastaba)」というのは、Wikipediaによると古代エジプトで建設された長方形の大きなお墓だそうです。サーペンタイン・ギャラリーには、このマスタバのプロジェクトの数々のスケッチや提案書、また過去に使われたドラム缶などが展示されています。
クリスト(と亡くなった奥様のジャンヌ=クロード)の何がすごいって、数々の壮大なプロジェクトを、公的資金に頼らず自らのアートワークを売ってお金を作り、プロジェクトを実現するにあたって必要な許可などもすべて自分たちで行うという点です。その実行力だけでも尊敬です。
ギャラリーを出て、サーペンタイン湖に向かって歩いていくと、故ダイアナ妃のメモリアル・ファウンテンがあります。深かったり浅かったり流れも速かったりゆっくりだったり、いろいろな形状の水路が大きな輪になっています。さすが国際都市ロンドンといった感じで、様々な国の子どもたちが、異なる言葉で歓声をあげながら夢中で水遊びをしている風景は見ているだけで癒やされます。
この楽しげな光景を横目にさらに進んでいくと、鮮やかな色彩に輝くそれが見えてきます。巨大にそびえ立っているというだけで、なぜか崇高な気がしてしまいます。ちょっとスタジアムの座席のようにも見えます。
もっと近づいて見てみたいという衝動に駆られ、早速サーペンタイン湖のボートに乗って、近くまで行ってみることにしました。
ボートのチケット売り場には長い行列ができていましたが、意外とスルスル進むので、そんなに待つことはないです。大人ひとり、30分で10ポンド、1時間で12ポンド。窓口の人に聞いてみると、30分で十分、マスタバに行って帰って来れるということだったので、30分のチケットを購入。ボート乗り場では、泳げるかどうか、泳げない人には救命胴衣の着用を勧められます。
週末のハイドパーク、しかも快晴とあってボートもたいへん混み合っております。あちこちで衝突が起こりますが、「Sorry! Can’t stop(笑)」と皆さん和やかモードです。
間近で見る白鳥や鴨に挨拶しながら、いざマスタバへ!
やっぱり大きい!太陽の光の具合で、表情が違って見えます。
またもボートが混み合い、進行方向を定められず、このままではお墓にぶつかってしまいそう!! とあたふたしているところへ、ゴールキーパーのようにマスタバに向かってくるボートを棒ではじき返す係の人がいるので安心。「もっと離れて」と言われながら棒で進行方向を変えてもらいました。
日本でも湖の真ん中に神社があったりしたなあ……そんなことを思い出しながら、水面でゆらゆら揺れる色を眺め、ちゃぷんちゃぷんという心地よい水の音に耳を傾けていると、あっという間に時間が経ちます。
こんな機会でもないと、ハイドパークでボートに乗ることもなかったと思いますが、湖に出ると視点が変わり、いつものハイドパークも違った風景、間近で水鳥たちを見るのも楽しかったです。夏の良い思い出になりました。
クリスト&ジャンヌ=クロード: Barrels and The Mastaba 1958-2018
サーペンタイン・ギャラリー
2018年9月9日(日)まで 10:00-18:00
入場無料
http://www.news-digest.co.uk/news/listing/details/1367-christo-and-jeanne-claude.html
*サーペンタイン湖のザ・ロンドン・マスタバは9月23日(日)まで
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